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【困っタコラム 第5話】食べることは栄養補給だけじゃない~摂食障がいの回復とは~

こんにちは。
初めての方も、おなじみの方も、読んでくださってありがとうございます。
“困っタコラム”始まります。前回は、部活動での頑張りすぎ(過活動)について、それが実は病気( 困っタコ )のサインかもしれないというお話でした。
【第4話】運動がやめられない?!~頑張りすぎの正体~
【第3話】こうなったのは誰のせい
【第2話】痩せているのに太って見える?
【第1話】困っタコって、何者?!今回は、いよいよ「楽しく食べるを取り戻す」についてお届けします。
それでは、第5話です。どうぞ!
食べることは栄養補給だけじゃない~摂食障がいの回復とは~
――― 日曜日の昼下がり ―――
お父さんよしっ、できたー!
ゆい、お母さん、お昼ごはんできたよ。
ゆいえ・・・お父さんが今日ごはん作ったの?
お父さんそう!久しぶりに作ったんだ、 特製「お父さんカレー」だよ。
ゆい、小さい頃これ大好きだったでしょ?「お店のよりおいしい」って。――― スパイシーな香りが漂います ―――
ゆいうわぁ、懐かしい匂い。小さい頃、キャンプで食べた時のこと思い出すなぁ。
みんなで笑って、「おいしいね」って言い合って。あの時は楽しかったな。
ゆいでも、ルーは油と小麦粉の塊だし、ご飯も糖質が多い。
今の私には、これは「爆弾」にしか見えない。食べたら絶対に太る。怖い・・・
お父さんどうしたの?冷めないうちに食べよう。 たっぷりよそったよ。
ゆいごめん、私、いらない。 お腹空いてないから。
お父さんえっ?でもこれ、ゆいの好物でしょ?一口だけでもどう、おいしいよ?
ゆい食べたい気持ちはあるけど、怖いの。どうしても手が動かない。
ゆい無理だって言ってるじゃない! そんなに食べさせようとしないでよ!
――― ゆいは自分の部屋へ行ってしまいました ―――
お父さんなんだ、せっかく作ったのに・・・。
昔はあんなに喜んで食べてくれたのに、どうしてこうなっちゃったんだろう。
お母さんお父さん、落ち込まないで。あの子も苦しんでいるのよ。
・・・そうだ、先日相談した摂食障がい治療支援コーディネーターさんに、お父さんも話を聞いてみない?
お父さんそうしよう。
――― 相談窓口に電話をかける ―――
摂食障がい治療支援コーディネーターこんにちは!
お父さん父親です。 実は先日、娘の好物だったカレーを作ったんですが、頑なに拒否されてしまいまして・・・。
私は、娘にただ食べさせたかったわけじゃないんです。昔みたいに、笑い合って楽しい時間を過ごしたくて。
コーディネーターお父さま、そのお気持ち、とても素敵です。
そして、今おっしゃったことが回復において最も大切なポイントなんです。
うふふと笑顔で楽しく食べた記憶、それが“うふふのタネ”です。
お父さんうふふのタネ・・・?
コーディネーターはい。 単にカロリーや栄養を体に入れるだけの食事は栄養補給です。
キャンプでカレーをほおばったときの、「おいしい」と思った味わいや、誰かと食べて安心した時間など五感で感じた記憶は、きっとゆいさんのこころの中に残っているはずです。
コーディネーター今のゆいさんは、 “困っタコ”がうふふのタネを隠してしまったせいで、頭の中が「カロリー計算」や「太る恐怖」でいっぱいになっています。 つまり、食事が「楽しむもの」ではなく、単なる栄養補給になってしまっているんです。
だから、お父さんのカレーを見ても、思い出よりも先に恐怖が来てしまったんですね。
お父さんそうか・・・。娘は、食事を楽しむ余裕なんてないくらい、追い詰められていたんですね。
――― 時間が経ち、ふと冷静になったゆい ―――
ゆい・・・私、いつから食事を楽しめなくなったんだろう。
お父さんのカレー、本当は食べたかった。みんなと笑いたかった。痩せていることと引き換えに、私は「楽しい時間」を全部捨てちゃってるのかもしれない・・・
ゆい・・・お父さん、ごめんなさい。 私、本当はカレーの匂い、すごく懐かしかった。
でも、どうしても怖くて食べられなかったの。
お父さんゆい・・・教えてくれてありがとう。
コーディネーターゆいさん、そう感じているのなら、うふふのタネはちゃんとこころの中に残っています。
治療は、あなたを変えることではありません。困っタコとあなた自身の声を分けていき、うふふのタネに少しずつ水をあげることなんです。
一緒に育てていきましょう!
ゆい私、もう一度、みんなとおいしくごはんが食べられるようになりたい。
カロリーとか体重とか、そんなこと気にしないで、お父さんのカレーを「おいしい」って笑って食べたい。
・・・私、病院に行ってみる。ちゃんと治したい。
お父さんうん、一緒に受診しよう。
第5話、いかがでしたか?
困っタコ は、食事から「楽しさ」や「団らん」を奪い、単なる数字や恐怖の対象に変えてしまうことがあります。 でも、ゆいさんのように「また笑って食べたい」「楽しさを取り戻したい」とうふふのタネの存在に気づいたときが、回復への第一歩です。
回復のゴールは、食事を単なる栄養補給ではなく、楽しく食べられるようにすること。 お父さんのカレーが、いつかまた家族の笑顔の真ん中にあることを願っています。
次回、ゆいさんは受診し、おいしくお父さんカレーを食べられるようになるのか?!
お楽しみに。
またお会いしましょう。 -
【受付終了】3/7(土) 福井県民公開講座#03「楽しく食べるを取り戻す―理解から日々の工夫へ―」を開催します

※定員に達したため、受付を終了しました。
こんにちは。いつもご利用いただき、ありがとうございます。
公開講座のお知らせです。
3回目となる今回は、回避・制限性食物摂取症(ARFID)を中心にお届けします。前回ご参加いただいた方も、今回が初めての方も、ご参加いただける内容です。
「楽しく食べる」を、もう一度日常に取り戻すきっかけになれば幸いです。食事に悩むご本人、ご家族、支援や教育に関わる方、ご興味のお持ちの方、ご参加を待ちしております!
楽しく食べるを取り戻す
―理解から日々の工夫へ―「好き嫌い?」「偏食?」「どうしたらいいの?!」
食事の時間が、いつの間にか悩みや緊張の場になっていませんか。回避・制限性食物摂取症(ARFID)を中心に、「食べられない」背景の理解と、家庭でできる無理のない工夫をわかりやすく解説。後半では、食事提案アプリの使用体験も行います。
日時:2026年3月7日(土)14:00~15:30(受付13:40~)
場所:フェニックス・プラザ 多目的ルーム
プログラム1
いろいろな理由で食べられない
~回避・制限性食物摂取症(ARFID)~「食べられなさ」の多様な背景を、感覚過敏、恐怖、不安、関心の向きにくさなどに分け、わかりやすく解説します。
福井大学医学部精神医学 助教
眞田 陸
子どものこころ専門医・指導医として児童思春期の精神医療に10年以上従事し、50名以上の10代の摂食症の患者さんの治療を担当してきました。2023年4月から福井大学医学部附属病院に赴任し、同年10月から福井県摂食障がい支援拠点病院事業の運営に携わっています。患者さんのリカバリーを支える、患者さんから学ぶ医療を展開する、ことを目指しております。プログラム2
『食べなきゃ』を『食べたい』に
~食卓の緊張をほどく、食事提案アプリの活用法~家庭で起こりやすい食卓の緊張に注目し、無理のない工夫や、日常でできる支援ツールを紹介します。特に、親子でできるアプリ使用体験も実施予定です。
(スマートフォンを使いますが、無い方もご参加いただけます。)株式会社おいしい健康 管理栄養士
関西 真穂 さん
保育園にて子どもたちの給食づくりから調理経験を積み、料理研究家のアシスタントとしての実務を経て、食事提案アプリを開発しているおいしい健康に入社しました。
食事管理でお困りの方に寄り添いながら、医療・栄養の考え方を日常の家事目線に落とし込んだ、継続しやすいレシピを日々開発しています。申込方法
下記よりお一人様ずつお申し込みください。
先着70名様、参加費無料です。チラシ
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